[4] 哀 愛 あ い 2006/2/28 (Tue.) 20:49:34 むしろこの感情は愚か過ぎていっそ愛しくすら思う 貴方を哀れむ私を私を 私 は 哀れだと嘆くのだ 「なぁジェイド」 「なんですか陛下」 「もし俺がお前をあいしてるって言ったら、お前はどうする?」 「哀れんで差し上げますよ」 「俺はあわれか?」 「哀れですよ。私なんて愛してどうするんです。何もかえせませんよ」 「そうか?きっとそんな事は無いさ」 だってみろよ 今こうしてお前と向き合っているだけで俺はこんなにも幸福になれる 俺を映すその目がその目が そ の 目 が いっそ叩き壊してやりたいほど愛してくれと叫ぶのだ -------------------------------------------------------------------------------- ジェイドは陛下を愛せない感情のない自分を哀れんで 陛下はそんな風に自分の中にある愛に気付かないジェイドをただただ愛してる [5] だって私はそのためにいる 2006/2/28 (Tue.) 21:28:49 すいと無言で去っていく背中を見送る度に今日こそは何かを言ってやろうと思うのだ。 だが言葉は口を飛び出す事無くいつだって咽喉にへばりついて離れない。 お前が振り返ってくれればあっけないほど容易く出てくるだろうそれを言うのがこんなにも難しい。 ああ、いつだって願っている。 お前がただ一度振り返ってくれる事を、(決して振り返らないと知っていて) そうすれば俺は今この瞬間にでも全てを投げ出しやるのに。(愚かな俺をいつまでも拒絶してくれ) 何度その背を見送っただろう。 ジェイド。 お前が俺のために死にに行くのを俺は後何度見送ればいい? (頑是無い子供のままの願いに大人はいつだって振り向いてはくれない) [6] 無題
2006/3/6 (Mon.) 22:56:22 最初はそう 戯れに過ぎなかったと記憶している その身体に腕を回したのは 初めて見る男の表情に、目を奪われた そんな顔もするのかと 沸き起こる欲求は知的好奇心 知りたいと その静けさは その憤り その涙は なんのためにかと 泣く男の全てを知りたかったのだと私が自覚したのは、男が私の前で泣かなくなってからだった。 [8] 宿屋にて 2006/3/12 (Sun.) 23:07:14 「なージェイドー」 「なんですか、ルーク」 「ジェイドってピオニー陛下の愛人なのか?」 「ぶほっ!」 「うっわ!ガイ汚ねー!ふくなよ!」 「ふくわこの馬鹿!!面と向かってそんな事聞く奴があるか!!」 「えー?じゃ、影でこそこそと?」 「そうそう。死角になって見えない所でこそこそと・・・って!違う!!」 「なんだよ〜」 「いいか、ルーク!!たとえジェイドが本当に陛下の愛人だろうと家畜だろうとむしろマルクトを滅ぼす女狐だろうと淫売だろうと、そういうのはいったら駄目なんだよ!!」 「言ってるじゃん、自分で」 「のあー!!」 「ガ〜イ〜?」 「うわわわ!!」 「貴方が私をどう思ってるか、よ〜く分かりましたよv」 「ちちちち違う!!これは俺じゃなくて、城の衛兵たちとかメイドに聞いたああああ!!じゃゃなくて!!頭を抱えて話し込んでる家臣のおっさんたちの密談を盗み聞いたというか・・・!!うわ〜!!」 「なるほど・・・ルーク、私はちょっとガイとお話がありますので、先に休んでいてくださいねv」 「はーい」 「待てルーク!!そこで良い子のお返事をするな!!助けろ!!」 「ほらほらガイ。大人は大人同士、ゆっくりと話し合いましょうね〜♪」 「い、いやだ!!ルーク!!助けろ!!ル〜ク〜!!」 (暗転) つっまんねー
[7] 頭のわき具合が分かります… 2006/3/11 (Sat.) 01:11:43 ピオニーの息子(養子)が今マイ・ブームです 結局独身貫いて姉の子供を養子に貰った陛下。 回りの大半はジェイドが原因だと思ってるけど、実際は血と殺した兄のことを考えて(陛下はもし本当に自分が玉座に上るべきだとか考えたら、ジェイドがいようがなんだろうが正妃も側室も沢山貰って血筋を残しますよ) なにがいけなかったのかピオニーの影響を受けまくった息子は一目をはばからずジェイドのことを 「母上v」 とか時々平気で呼びます。 絶対ピオニーが「あいつのことは母上でいいからな。というかむしろ呼べ」とか言ったんです。 息子は 「伯母上(実母)よりも美人ですし、むしろマルクト1の美人ですから、ジェイドが母上で一向に構いません」 「あ、すみません、訂正します。世界一の美人でした」 こんな息子の幸せはジェイドの膝枕で眠ること。(ちなみに御年16才です) というか子供の頃ピオニー陛下に膝枕してあげているジェイドという図を見て 「聖母子像みたいだ」 とか思っちゃったのが敗因 見た目だけは最高にい人達だから・・・(目を逸らし) むしろ10何年たっても一向に年を取る気配のない化物主従に化かされてジェイドに対して恋心すら抱いている模様 でも、しっかり父上から忠告も釘も刺されているのであくまでも軽い親子のスキンシップ程度 「いくらお前でも、あいつはやらんぞ」 とか、にこやかに凄まれた過去ありです ジェイドは息子の気持ちをしりつつもノータッチで 「こんな中年に懸想するなんて、物好きですよねぇ。絶対にv陛下の育て方がいけなかったんですよ」 人生を踏み外しまくってます、息子 マルクトの明日はどっちだ!! (重臣は二代揃って悪の譜術使いに誑かされた皇帝たちに滂沱の涙を流しております) [9] 自堕落に過ごす 2006/3/17 (Fri.) 01:02:03 熱い褐色と冷たい白というコントラストは酷く淫猥なのだとピオニーは情事のたびに思い知らされる。 ゆるゆると己の胸元の窪みを辿り、浮かび上がる首の筋をなぞる花の茎のような指先。 密着した内腿はあまりやわらかいとはいえないが、肌触りだけは極上でぴったりと吸い付いてそこで感じる触覚だけでもたまらなくいい。 それらはすべて痛覚を刺激するような真白だ。 腰よりももう少し下に腰を落として、ピオニーをその身の内に呑み込んで跨っている男は痩せて骨と皮とほんの少しの筋肉とでどこもかしこも固い、男でしかありえない身体をもっているのに。 たまらなく淫蕩なイキモノだった。 ゆらゆらとゆれて緩やかに快楽を与えて、与えられて、怠惰に時を過ごす。 まるでぬるま湯につかっているような酷く穏かな悦楽に融けてこのままずっといるのもいいかもしれないと厭世的な思考が脳裏を掠めるていく。 こんな風な昼下がりの穏かな密事はいつだって堕落に向かって誘惑するのだから、性質が悪い。 分かっていてそれに手を伸ばす自身も大抵救われないと思うが、目の前に差し出されている極上の媚肉に手を出さないでいられるやつがいたら見てみたい。 第一、逆らわずに笑んで受け入れるこいつが悪いと思う。 へいか 密やかに濡れた声が呼んで、ゆるりと伸びた繊手が蠢いて肩にまわされる。 誘蛾灯のようなその白はまさしく食餌だろう。 その果肉で誘って喰らわれて、逆に相手の全てを取り込んでしまうのだ。 国を滅ぼす魔物と言うのは、きっとこれと同じイキモノなのだろうと、ピオニーは確信している。 [10] 彼女 2006/3/20 (Mon.) 23:54:18 「結局、ピオニー様もお兄さんもずるいのよね」 白い陶磁器を満たす紅茶は仕事に疲れた神経をほっとさせる。 気心のしれたメイドの入れてくれたそれを一口飲んで体をほぐして、ネフリーは揺れる透明な赤褐色をみつめてぽつりと呟いた。 赤と白を見ると、彼女の脳裏には真っ先に兄の姿が浮かんでくる。 この白磁の器よりも透明度の高い、雪のように冷ややかな肌はしっとりときめ細かくて、随分羨ましかった。勿論、今もなのだけれど。 三十路を過ぎたくせに、あの張り艶はなんなのかと嫉妬を覚えてしまう。私がどんなに苦労してるか知らないで、と、何度恨めしく思ったことだろう。 だから、ネフリーはのほほんと笑う兄のあのほっペをいつか引っ張って伸ばしてやろうと企んでいる。 「少しくらいなら、驚いてくれるかしら?」 その様を想像して小さく笑い、両手で包んだカップをほんの少し動かせば、波打つ紅茶の海が美しい。 それでも、兄の瞳、茶色なんで一滴も混じらない純度の高いピジョン・ブラッドには敵わない。 どんな美しい宝石を見ても、兄の瞳を思い出してしまえば、色褪せてしまうのだから残念な事この上ない。散財をしないという見方もあるが、寂しい事だと思う。 だからネフリーは、赤い宝石を持ったことが無い。 いつだってとは言わないが、望めば何よりも美しいものをこの目に映すことが出来るから。 そして、それに負けないほどの純度を誇る、青い輝石も。 それ、を見たいと思えば、いつだって付随してくるのだ。 赤と青で、一対。 互いの隣は、互いだけが埋めるのだと、埋められないのだと、見せ付けて。 それでも。 「私を飾る、だなんて。本当に、ずるいわ」 今も、あの人以上に心震わせる相手なんて、いない。 いつだって、自分は恋してるのだ、あの人に。 でも、恋に生きるにはあまりにも周りが見えすぎて。 あの人の欲望の矛先を知っていて。 「利潤と、打算と、愛情と。そんなもの全部が合わさって、ピオニー様は私を選んでくれたけれど」 それに気付いてしまったから、あの恋に酔う事は出来なかった。 年若く才気溢れる、おまけに容姿も端麗な皇帝陛下に求められて、嬉しくなかったわけは無いけれど。 「見えてしまっていたんだもの、仕方ないわ」 もう少し大人だったら、そのまま、あの手をとって何処までもいけただろう。 たとえ恋しい人が渇望して、雁字搦めにして離すまいとしていたのが、自分でなくても。 確かに愛情を注がれていたのだから。 今だったら、あの求婚を受け入れただろう。 でも、まだ若かったあの頃は、駄目だったのだ。 自分だけを、見てくれる人が、欲しかったから。 「本当に、ずるいわ」 本当に欲しいものは繋いでおいて、あいたその腕で、他のものを抱き締めるのだもの。 この上なく優しく、大切に大切に、最上の慕情をもって。 それでいて、いざとなったら、腕に抱いていた存在を投げ捨てて、互いを縛る鎖を手繰り寄せて離すまいと握り合うのだ。 「いつだって、私をいいように使うんだもの。二人とも」 呆れの混じった嘆息は、それでも何処までも優しかった。
-------------------------------------------------------------------------------- なんだろう、これ・・・・ なにが言いたかったのか・・・支離滅裂・・・まさしく駄文・・・orz [11] 孕み子を 2006/3/24 (Fri.) 23:03:38 「カーティス大佐」 「これは皇妃さま」 薄暗い部屋のなかで淡い金髪の女が着たその薄紅色はぱっと光がさしたように明るい。 それに眩しげに目を細め、男は向かった執務机から離れると、そっとその女の手を取り、軍人と言う職業からはかけ離れたすべらかな動作で彼女を己が座っていた席へと導いた。 「このようなところへいらっしゃるなくとも、何か御用があれば私がお伺いいたしますよ。大切なお体なのですから」 そっと、僅かに膨らんだ女の腹部へと目線を落としす男を追って、女の柔らかな甘い曲線を描く手が胎を覆った。 壊れ物を扱うよりもなお慎重な仕草にジェイドはうっすらと微笑を浮かべ、己の手をその上から優しく添えた。 この胎の子はあの輝かしい男と同じ金の髪をしているだろうか あの糖蜜色の肌をもっているだろうか 愛おしげに自身の腹を撫でていく骨ばった固い手に、皇帝の種を宿した女は堪えきれぬ喜びの笑みを零し、美しい貌の男を見上げる。 「大佐は、この子を愛してくださる?」 その唐突といえば唐突な問いかけに、ほんの僅か、思いもかけない事を聞かれたというように不思議そうな顔をして、次の瞬間ジェイドは笑み崩れた。 「当然でしょう」 あの男の血をひくのなら、それが誰であろうと、なんであろうて愛そう。 蕩けるような甘い甘いそれに、ころころと皇妃は咽喉を鳴らして優雅に口元に手を当てた。 「嘘がお上手ね、カーティス大佐」 まるで道化の出来の悪い芸を見たときのような、寛容さと愉悦をこめた断言に困ったように小首を傾げた男の肩から、さらさらと金茶色の糸が流れ落ちていった。 そうかもしれない ゆっくりと手を置いた女の腹部で幾度も行き帰させながら、意識の表層へと浮かばぬ感情の破片をぼんやりと拾い集める。 彼女の言うとおり、本当はその腹を裂いて引きずり出してやりたいのかもしれない 「そうかもしれませんね」 「まぁ、やっぱり?」 皇帝と侍医のみが触れることを許された肌を無遠慮に這うその手を許し、皇妃は童女のように手を合わせて自身の推測があたった事を喜ぶ。 「ですが、その胎の子が生まれるのを楽しみにしているのは本当ですよ。その子が生まれたらあの方は私がいただきますから」 「かまわないわ。もともとあなたのものですもの。私はこの子だけで充分」 挑発的に赤い瞳を輝かせた男に、女は余裕を持って返し、その男の手を退けると、ゆるやかに自身の手で腹部を抱いた。 「ねぇ、私はあの方を手に入れたのよ。あの方を私が産むの。これ以上の幸福があるかしら?」 夢見るように語るその表情はまさしく歓喜に溢れ、愛する夫の子を身篭った妻の至福をそのままに現している。 今更ながらに立場を弁えたように一歩下がり、だが膝をつく事無く皇妃を睥睨して、ジェイドは艶然と笑む。 「ないでしょうね。男である私には、望んでも得る事が出来ない。でもそれは所詮代償行為行為にすぎません。私はピオニーの変わりではなく、ピオニー自身を手にいれますよ」 「イヤな方ね」 美しい眉をひっそりと歪めた母たる女に、ジェイドは鋭利な線を描く頬に指を添えて、さらに口唇を引き上げて見せた。 「ご存知でしたでしょう?」 「ええ。存じておりましたわ」 この上なく美しく笑む男をきつく睨みつけ、一つ大きく嘆息すると彼女はすっと立ち上がった。 「帰りますわ」 かたりと音を立てた椅子から離れていく女性らしいまろやかな姿態に数歩遅れてジェイドもその後へ続く。 「お送りいたしますよ」 「結構ですわ。外に共のものを待たせております」 「さようですか」 臍を曲げた童女のような態度をとる女に、ジェイドは慇懃に腰を折って礼を送る。室外に控えていた、よく躾けられた傍仕えが中の気配を察知して開け放った扉を当然として潜る高貴なる女が、ふと振り向いた。 「そうですわ、カーティス大佐」 「なんでしょう、皇后陛下?」 「この子が生まれたら、名を付けてあげてくださいね」 「名をですか?」 思わずといったように顔を上げた臣下に、彼女は愉しげに頷いた。 「ええ、そう。この子にも味あわせてあげたくて。だれかに焦がれるということを」 生まれ出づる子の幸せを語るように、女は謳い上げる。 「ねえ。この子はきっとあなた求めるわ。だってあの方の子なのですもの」 ゆるゆると、まだこの世に誕生してすらいない小さな命を肉の膜を通して愛撫する。 「けれど、それは決して手に入らないの。だって、何よりも愛しい男とだれよりも殺したい女の子だもの。第一あの方があなたを手放すはずもなければあなたが彼以外を愛することもないのですもの」 「ヒドい方ですね」 肩を竦めてやれやれとあきれたように首を振る男は、女の心情など理解できないだろう。 もとより、人からは遠い存在だ。 実際の所、女には己の夫たる皇帝の愛人が本当に自分を憎んでいるのかも、その胎の中の子を憎んでいるのかも謎だった。 ほんとうの笑顔で、酷い嘘をつく男。 でも、きっとその男よりも、自分の方が嗜虐性は強いのだ。 「女は得てしてみんな残酷なものよ」 だから。 おんなは、なによりもみにくくうつくしくはなのようにわらった。 -------------------------------------------------------------------------------- イエイ☆ 管理人
2006/3/24 (Fri.) 23:08:01 誤字脱字オンパレード。 しかし直す気力なし。 にしても最近こっちばかり更新してるな・・・ 真面目に小説UPしようよという感じですね [12] それは脆く儚く 2006/4/4 (Tue.) 21:28:14 優しく慰撫する腕に甘えながら、その腕の意味のなさに声高く笑い出しそうになる。 己の情けない有様にではなく、その腕を与えてくれる相手の空虚さに。 望まれたとおり、意志も情愛すらなくただその腕を差し伸べ優しく宥める男の透徹とした害意にいっそ死にたくなる。 この声も、腕も、眼差しすらもこの上なく甘く心地良いのに、そこに意味あるものは何も無いのだ。 「どうしたんです?今日はいつになく甘えん坊ですね」 抱きしめてくれる体をさらに強い力で抱き締めて、その胸に額を押し付けて鼓動を聞けば震える確かな鼓動するらも感じるのに。 この腕に抱くのはただの空虚だ。 ああ、それでもこの腕を離せない俺はどんなにか滑稽だろう! [13] 彼の見解誤認ですらある 2006/4/22 (Sat.) 20:02:06 あぁ あぁ 君を殺して僕も死ぬ そんなふうには愛せない ただ君が君でいることが損なわれず失わずに完璧に存在する貴方が 「だからお前は駄目なんだよ」 哀れみに満ちた瞳で断言した蜜色の髪の男の言葉なんかに惑わされる事無く ただただ私は知っていいて分かっていて 望んでいる 「壊される事こそを、あいつは望んでいるのに」 馬鹿な男 愚かな男 それはお前がかってにそう受け取っただけの思い込みに過ぎない あの人は本当に本当に 「死にたいだけなんですよ」 この世界で絶対の異端であるあの人は 自身の存在を処分しようとする 不要なものを切り捨てる それはなんて 「 」 |